契約書検索の効率化
「あの契約書、どこにあったかな?」「この取引先との契約条件は何だったっけ?」契約書を探すのに時間がかかった経験は、多くのビジネスパーソンにあるのではないでしょうか。
紙の契約書をキャビネットから探す作業は、想像以上に時間を浪費します。電子契約を導入することで、契約書の検索効率が大幅に向上します。本記事では、契約書検索の課題と、電子契約による解決方法を解説します。
紙の契約書管理の課題
検索に時間がかかる
紙の契約書を探すには、まずキャビネットから該当のファイルを探し、ファイルの中から該当の契約書を探し、さらに契約書の中から該当の条項を探す必要があります。複数の場所に保管されている場合は、すべてを確認しなければなりません。
検索漏れのリスク
紙の契約書管理では、ファイリングのミスで見つからないことがあります。保管場所が変わっていたり、別の部署が保管していたりすることもあります。そもそも契約書が存在するか不明なケースもあり、検索漏れのリスクは常に存在します。
保管スペースの問題
契約書が増えるとキャビネットが不足し、外部倉庫に保管すると取り出しに時間がかかります。保管コストも年々増加していきます。
電子契約で検索効率が向上する理由
1. 全文検索が可能
電子契約サービスでは、契約書の内容を全文検索できます。キーワードを入力するだけで、該当する契約書を瞬時に見つけられます。契約書名や取引先名での検索はもちろん、契約書内の文言での検索や、特定の条項を含む契約書の抽出も可能です。
2. メタデータによる絞り込み
契約書に付与されたメタデータ(属性情報)を使って、絞り込み検索ができます。契約種類(売買契約、業務委託契約、NDA等)、取引先名、契約締結日や契約期間、担当部署や担当者、金額など、様々な条件で絞り込むことができます。
3. 複合条件での検索
複数の条件を組み合わせた検索が可能です。例えば、「A社」かつ「2024年締結」かつ「業務委託契約」という条件で検索したり、「契約期間が2024年12月に終了する契約」や「金額が100万円以上の契約」といった条件で検索することもできます。
4. いつでもどこでもアクセス
クラウド型の電子契約サービスなら、インターネット環境があれば、オフィス以外の場所からもアクセスできます。外出先から契約内容を確認したり、リモートワーク中でも検索が可能です。複数拠点での共有も容易になります。
効率的な検索のための準備
1. メタデータの設計
検索しやすくするために、契約書に付与するメタデータを設計しましょう。
基本的なメタデータ
基本的なメタデータとしては、契約書名、契約種類、相手方(取引先名)、契約締結日、契約開始日・終了日、自動更新の有無などがあります。
管理用のメタデータ
管理用のメタデータとしては、担当部署、担当者、契約金額、関連するプロジェクト名、備考・メモなどを設定しておくと便利です。
2. 命名規則の統一
契約書の名称を統一することで、検索精度が向上します。
命名規則の例
命名規則は「【契約種類】_【相手方】_【日付】」のような形式で統一すると効果的です。例えば「業務委託契約書_株式会社ABC_20240401」のように命名します。
3. フォルダ・タグ構造の設計
契約書を分類するフォルダやタグの構造を設計します。
分類方法の例
分類方法としては、契約種類別(売買契約、業務委託、NDA等)、取引先別、部署別、プロジェクト別、契約ステータス別(有効、終了、更新待ち)などがあります。自社の業務に合った分類方法を選択しましょう。
検索の活用シーン
1. 契約内容の確認
取引先との打ち合わせ前に、契約条件を確認するシーンです。支払条件は何だったか、契約期間はいつまでか、特約事項は何が入っているかなど、必要な情報を素早く確認できます。
2. 契約更新の管理
契約期間が終了間近の契約を検索し、更新手続きを行います。「契約終了日が2024年12月の契約」で検索して更新が必要な契約をリストアップし、更新交渉や新契約の締結を進めます。
3. 条件の比較
同種の契約の条件を比較するシーンです。複数の取引先との業務委託契約を比較したり、契約条件の標準化に活用したり、価格交渉の参考にすることができます。
4. コンプライアンスチェック
法改正などに伴い、関連する契約を洗い出すシーンです。特定の条項を含む契約を検索し、該当する契約の修正・再締結を行います。
5. 監査対応
監査で求められた契約書を速やかに提出するシーンです。監査項目に該当する契約を検索し、必要書類をダウンロードします。紙で提出が必要な場合は印刷して対応します。
既存の紙契約書の電子化
スキャンしてデータ化
既存の紙の契約書をスキャンして、電子契約サービスにアップロードすることで、検索対象に含めることができます。
スキャン時のポイント
スキャン時には、OCR(光学文字認識)機能で文字をテキスト化することが重要です。メタデータを適切に設定し、画質を適切に設定して検索可能かつファイルサイズを抑えるようにしましょう。
優先順位をつけて電子化
すべての契約書を一度に電子化するのは大変です。まず有効な契約書(現在効力がある契約)を優先し、次に検索頻度の高い契約書、そして重要な契約書という優先順位で進めましょう。
検索効率化の効果測定
測定すべき指標
検索時間
導入前は契約書を探すのに平均で何分かかっていたか、導入後は契約書を見つけるのに平均で何秒になったかを測定します。
検索成功率
必要な契約書が見つかる確率を測定し、「見つからない」ケースの削減効果を確認します。
業務効率
契約確認業務にかかる時間の削減効果や、検索に関連する問い合わせの削減効果を測定します。
注意点
メタデータの入力徹底
検索精度を上げるには、契約書登録時にメタデータを正確に入力することが重要です。入力ルールを定め、徹底しましょう。
アクセス権限の設定
検索できる契約書の範囲は、適切なアクセス権限設定によって制御しましょう。部署ごとに閲覧可能な契約を制限したり、機密性の高い契約は特定ユーザーのみ閲覧可能にするなどの設定が必要です。
定期的な整理
契約書データが増えすぎると、検索結果が膨大になることがあります。終了した契約のアーカイブなど、定期的な整理を行いましょう。
まとめ:検索効率化で業務改善
契約書の検索効率を上げることで、本来の業務に集中する時間を増やせます。電子契約サービスの全文検索、メタデータ検索機能を活用し、「契約書を探す時間」を大幅に削減しましょう。
効率的な検索のためには、メタデータの設計、命名規則の統一、フォルダ構造の設計が重要です。導入時にルールを定め、運用を徹底することで、検索効率化の効果を最大限に発揮できます。

