電子契約サービスが終了したら契約書はどうなる?
「電子契約サービスを使い始めたけど、もしサービスが終了したら、保存していた契約書はどうなるの?」——クラウドサービスを使うときに、多くの方が抱く不安です。
本記事では、電子契約サービス終了時のリスクと、それに備えるための対策を解説します。
サービス終了時に起こりうること
データへのアクセスができなくなる
サービスが終了すると、そのサービスにログインできなくなり、保存していた契約書データにアクセスできなくなる可能性があります。
契約書の検索・管理機能が使えなくなる
電子契約サービスの便利な検索機能やリマインダー機能が使えなくなります。
ただし、契約の有効性は失われない
重要なのは、サービスが終了しても、締結済みの契約の法的有効性は失われないということです。電子署名が付与されたPDFファイルを持っていれば、契約は有効なままです。
なぜ過度に心配する必要がないのか
信頼できるサービスを選ぶ
実績のある電子契約サービスは、簡単に終了することはありません。サービス選定時に、運営会社の規模、実績、財務状況などを確認しましょう。
事前通知がある
仮にサービスが終了する場合でも、通常は数ヶ月前に事前通知があります。その間に契約書データをダウンロードする猶予期間が設けられます。
データエクスポート機能がある
多くの電子契約サービスには、契約書データを一括でダウンロード(エクスポート)する機能があります。必要なときにデータを取り出せます。
サービス終了に備える対策
1. PDFを定期的にダウンロード
締結した契約書のPDFを、定期的にダウンロードしてローカル(パソコンや社内サーバー)に保存しておきましょう。月に1回、新規締結分をダウンロードするなど、ルーティン化すると確実です。
2. クラウドストレージにバックアップ
ダウンロードしたPDFを、電子契約サービスとは別のクラウドストレージ(Google Drive、Dropbox、OneDriveなど)にも保存しておくと、二重のバックアップになります。
3. 契約一覧を作成しておく
どのような契約が何件あるか、一覧(リスト)を作成しておきましょう。サービス終了時に、すべての契約書をダウンロードできたか確認するために役立ちます。
4. サービスの利用規約を確認
利用規約に、サービス終了時のデータ取り扱いについて記載があります。データの保持期間、エクスポート方法、事前通知の期間などを確認しておきましょう。
サービス選定時のチェックポイント
運営会社の信頼性
運営会社の規模、設立年数、実績を確認しましょう。大手企業や上場企業が運営するサービス、多くの顧客を持つサービスは、突然終了するリスクが低いです。
データエクスポート機能
契約書データを一括でダウンロードできる機能があるか確認しましょう。CSV形式でメタデータ(契約先、日付など)もエクスポートできると便利です。
サービス終了時のポリシー
利用規約やFAQで、サービス終了時の対応について言及があるか確認しましょう。「○ヶ月前に通知」「データダウンロード期間を設ける」などの記載があると安心です。
データの可搬性
契約書がPDFとして保存され、他のサービスやローカルでも開ける形式であることを確認しましょう。独自形式でしか保存されないサービスは避けた方が無難です。
もしサービス終了が通知されたら
1. 猶予期間を確認
サービス終了日と、データダウンロードの猶予期間を確認します。
2. 全契約書をダウンロード
エクスポート機能を使って、すべての契約書PDFをダウンロードします。メタデータ(契約先、日付、ステータスなど)も一緒にエクスポートしましょう。
3. 代替サービスへの移行
必要であれば、別の電子契約サービスへの移行を検討します。過去の契約書は新サービスにアップロードして管理することも可能です。
4. ローカル・クラウドに保存
ダウンロードした契約書を、ローカルとクラウドストレージの両方に保存します。
長期保存のベストプラクティス
3箇所に保存
重要なデータは「3-2-1ルール」で保存することが推奨されます。3つのコピーを、2種類のメディアに、1つは別の場所に保存する、というルールです。
例:
- 電子契約サービス(クラウド1)
- Google Driveなど(クラウド2)
- 社内サーバーまたはパソコン(ローカル)
定期的な確認
年に1回程度、バックアップが正常に取れているか確認しましょう。PDFが正常に開けるか、ファイルが破損していないかをチェックします。
保存期間を意識
法人税法上、契約書は7年間(欠損金がある場合は10年間)の保存が必要です。この期間は確実に保存できる体制を整えましょう。
まとめ
電子契約サービスが終了しても、締結済み契約の有効性は失われません。PDFファイルを持っていれば、法的に有効な契約書として使えます。
ただし、サービス終了時にデータにアクセスできなくなるリスクには備えておく必要があります。定期的なPDFダウンロード、クラウドストレージへのバックアップ、信頼できるサービスの選定が、リスク対策のポイントです。過度に心配する必要はありませんが、「備えあれば憂いなし」の姿勢で、大切な契約書を守りましょう。
